今までは比較的冷静にみえたが、5月に入ってから突如PCR検査の実施数が増えないことに対する批判が多くのメディアで報道されて、一般人も感情的に同調する雰囲気が見え出した。
お隣の韓国と比較して、検査が進まないから感染が増えるだとか死者が多いとかそういう論調だが、一方でアメリカなど他の国々と比較するとどうなのか。どこも取り上げていない。
さて、仮に今、日本に超強力な検査体制があり、1日で1000万件の検査が可能だとする。10日で1億人、ほぼ全員だ。
この仮定のもとに全員対象に検査をするべきかどうかを考える。
どっちみち誤差が大きい計算になるので、ざっくりとした前提条件を設定する。
・人口を1億人とする。
・コロナ感染者を隠れ感染者を含め5万人とする。(現在、回復者を含め1.5万人)
・PCR検査の感度は70%(感染者を陽性と判定できる確率)・・・①
・PCR検査で非感染者に偽陽性がでる確率 1%・・・②
①②の数字に納得がいかない人は自分で各種文献を調べて自分で検算をしてみてください。①の数字を上げようとすると②も上がり、②を下げようとすると①も下がるジレンマがPCR検査にはあり、これを劇的に改善することはおろらく無理であろう。
さて、この表の結果をもとに考えてみよう。陽性と判定された人は合計103.5万人、そのうち本当に感染している人は、3.5万人(3.4%)だ。
この人たちをホテルなどを借り上げて隔離することにしました。一応、個室にして陽性者同士の接触も極力避けるように配慮はするでしょうが、当然、陽性者同士の隔離レベルは陽性・陰性間より緩くなります。96.6%の人は実際には感染していないのに感染者と同じように隔離されます。
結果、隔離者の10%が本当に感染してしまいました。⇒10万人
そのうち、約2%が死に至ります。⇒2千人
一方で野放しになった、1万5千人が市中で感染を広げます。
これは理想的な状態でしょうか?
PCR検査はコロナと戦う武器の一つではあるけれど、それだけだ。戦略・戦術があって、その中でどう活用するかが重要であって、数を競うことにはなんの意味もない。
どうしたら感染拡大防げるのか
例えば、感染者が発見されたときに、接触者など感染が疑われる人すべてに、唾液を使ったPCR検査を迅速にする(したことにする)実際には検査せず、全員に陽性の結果を渡し隔離する。
これなら、最速で収束させることができます。
ただ、事実を知った人がからくりをバラしてしまって作戦は失敗するでしょうけど。特に選挙が近い政治家はかならず自分の選挙のために利用するでしょうね。